当時小6の”紙の本が好きすぎる”娘が、真剣な顔をして私に言いました。
「お母さん、この本読まないと人生損するよ」
しょっちゅう本をすすめてくれる紙の本が好きすぎる娘ですが、こんなに強く進めてくることは初めて。人生損したくない!と、ちょっと読み進めると一気に辻村深月ワールドに引き込まれ、、、親子共々かがみの孤城の大ファンになったのでした。
そんなかがみの孤城が2022年12月23日に映画化されました!まだ映画を観ていない人も、まだ原作を読んでいない人も、変な先入観なく没頭して欲しい!という願いから、どうにかネタバレなしでレビューをしていきたいと思います。
まず原作者である辻村深月作品は、全てにおいて伏線がいっぱい。それはもう、伏線だらけ。ちょっとした違和感は、最後にきれいに回収されます。何かを語ると面白さを減らしてしまうので何も語りたくないのです。
それでも最後まで読んでくださった方が興味を持ち、映画館に足を運んだり、本を手に取ったりして、それぞれのかがみの孤城の世界にどっぷりひたれるよう記事にしていきたいと思います。
ネタバレなしでレビューできるか?かがみの孤城は伏線がいっぱい!
原作を読んで、感動しまくった人が映画化が決まって心配になること。それはグレードダウンしちゃうんじゃ?という危機感。だって、あんなに奥深い小説を。あんなに伏線だらけで一切のエピソードを省くことができない作品を。映像を使うとはいえ2時間程度で表現できるだろうか、、、
無理としか思えない、、、
更に不安になったのは、声優陣が公表され、予告でオオカミ様の声を聞いた時。
えっ、、、オオカミ様って、こんなに元気なしゃべり方だったの?
私の中では秘密めいた儚げなイメージだったオオカミ様。もっと小声でボソボソと、そう、コミュ障気味なイメージがありました。この違和感は紙の本が好きすぎる娘も同様で
芦田愛菜ちゃんって辻村深月さんの大ファンだよね、、、オファー来て張り切っちゃった?
と戸惑っていました。もちろん、芦田愛菜ちゃんはそんなに軽率なわけがありませんし、オオカミ様が原作とかけ離れていたら監督が修正するはずです。その監督は尊敬する辻村深月様がこの人にならと信頼した原恵一監督。私も信頼するしかない!と、ドキドキで映画館へ行きました。
結果、、、号泣。
原作を読んだ方は同じ現象になった方も多いと思いますが、序盤で声を殺して号泣でした。映画が始まる前にタオルを握りしめておきましょう。
映画鑑賞後もタオルは手放せません。その後を描いたポストカードを見て、再び涙。
原作ファンは映画を観てガッカリした?
辻村深月×原監督の最強タッグなのに少しでも不安に思った私がバカでしたね。原監督に「よくぞここまで表現した!」と上から目線で褒めたいほどの仕上がりでした。原作に忠実だったというわけではないのですがそれでも原作ファンが満足に思えたのは、世界観がそのままだったから。世界観を壊さずに表現しきった、という感じでしょうか。声も全員シックリ。特に不安だったオオカミ様は「オオカミ様ってこんなにキュートだったんだ」と目から鱗でした。私のイメージとは違いましたがショックな気持ちは一切ありません。芦田愛菜ちゃんの表現力で、より魅力的なオオカミ様に出会わせてもらえた気分です。大好きなシーン
「善処する」
鳥肌が立ちました。原作ファンも、ビビらず映画を観てほしいです。唯一、イメージと違ったのはオオカミの恐ろしさ。娘も同意でオオカミ、本気で怖いじゃん、、、となりました。
登場人物全員を抱きしめて褒めてあげたい
これもかがみの孤城に限らず辻村作品に共通する点ですが、登場人物が全員魅力的。育てたキャラをストーリーの都合で使い捨てしない、辻村さんの愛を感じます。
登場人物全員が魅力的
かがみの孤城のメインの登場人物はオオカミの仮面のオオカミ様の他、中学生が7人。現役母親であるソフ合は、どの子も精一杯の愛情で抱きしめてあげたい気持ちでいっぱいです。もっと言うと、中心人物以外の主人公「こころ」の母親、プリントを届けてくれる同級生に至っても抱きしめてあげたい。
みんなが、それぞれの立場でその時出来ることを精一杯頑張っています。映画で描かれていない間も考え悩んで生きています。現実の世界でも、この子嫌だなぁと思う子や距離を置きたくなる子っていますよね。そういう子達も今置かれた状況で精一杯生きているんだろうか、と思えてきました。
ソフ合最推しキャラ「アキ」
小説の主人公は中1の「こころ」なんですが、ソフ合の中で主人公は断然「アキ」です。主要登場人物の中で、ソフ合が最も抱きしめたい、褒めてあげたい、とっても頑張っている子、それが「アキ」。ファッションがちょいダサめで、男子、女子とこだわるところがまた可愛いアキ。私がアキを肯定する!私がアキを抱きしめる!私がアキを守ってあげる!なんて思っていましたが、そんな必要ないくらい強い子です。
まずは普通にこころに寄り添って映画を観て、2回目はアキに注目して観てほしいと思っています。つまり、2回映画を観るか、映画を観たら原作を読もう、という話です。あなたの推しを見つけたら、推しに感情移入して見直すとまたいろんな感情が目覚めるはずです。
ソフ合は世界観にハマりすぎてコラボカフェを開催していたQ.POTにも足を運びました。予約のみのオオカミ様プレート。こちら、この通り見た目が最高に可愛だけじゃなく、最高に美味しい。かがみの孤城一つでいろんな楽しみ方をさせてもらえてうれしく思います。
現役不登校児がかがみの孤城を観た感想
紙の本が好きすぎる娘が言いました。
不登校の子にもこの映画観てほしい。思うところいっぱいあるんじゃないかな?
ふむふむ、なるほど!というわけで現役不登校の小学生にもこの映画を観てもらいました。原作を読んだことはなく、かがみの孤城は映画が初見。わくわくの感想は
「面白かった。こころが頑張ってた」
それだけでした。当然ですが映画を観たから学校に行く勇気が出たとか、私も頑張るとか、まさに映画の中のエピソードの様な大きな変化はなかったようです。ただ、学校が世界のすべてではない、ということは伝わったのではないでしょうか。
後日、こんなイラストをプレゼントしてくれました。
不登校児に限らず、大人も子供も生きていて辛くなったら逃げ込める”かがみの孤城”を持つことが大切なのかな、と考えさせられました。
私のかがみの孤城は、子供、エンタメ、そして今はリベシティが大きなシェアを占めています。
あなたの”かがみの孤城”は何ですか?
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